• 利用案内
  • 蔵書検索/予約
  • 図書館カレンダー
  • 図書館FAQ
  • 利用者のページ

としょかんのへや

2009年12月01日

No.44

   川端康成は「美しい日本の私」の中で、日本人が愛でる自然の四季を簡潔に表現 したものとして、道元の歌「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて冷しかり けり」を紹介しています。

   この歌に詠みこまれた自然の景物は、昔は日本各地で見られた風景の一端である がゆえに現在の私たちの心にも浸みるものがあるのでしょうか。
   今年も冬の季節が到来しました。しかし、私たちが住む池田では冬になっても雪 景色を見る機会は稀にしかないので残念です。自然の景物「雪景色」に代わって、今日の私たちが等しく切実に実感している「冬」といえば、「出口の見えない日本経済の冬の時代」ではないでしょうか。昨今の新聞・テレビの報道内容にはそうした社会の閉塞感を反映したものが多く、私たちの心胆を寒々とさせるものがあります。    
   このような先行き不透明な社会状況の中にあっても、図書館へは日々多くの方々が来館され、進学や就職あるいは職業知識の向上や趣味の実現など、自己の将来目標に向かってひたすら勉学に励み、情報の収集に努めておられます。願わくば日本経済が「不況のトンネル」から早期に脱出し、こうした人々の努力が報われ、社会全体に活気がよみがえるような「春」が訪れることを期待したいものです。
  <T.K.K>