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としょかんのへや

2010年01月01日

No.45 「無知の知」

   新年あけましておめでとうございます。
 昨年末に部屋の整理をしていると、10年以上前の古いダイアリーを発掘しました。
   1月のページをめくると、「一年の計は元旦にあり」とばかりに、仕事の段取りや目標などが威勢よく日々のページに綴られているのですが、2月、3月となるにつれその量が減り、ゴールデンウィークを過ぎたあたりからは1か月見開きのページに予定が書かれるのみとなり、やがては何一つ書かれなくなり、ついに大晦日。これには苦笑です。「この時はまだ若かったからそれも仕方ないよね」と三日坊主の自分をなぐさめてはみても、それならその後はどれほど成長したのかと問われると辛いものがございます。
 
 部屋荒らしのついでにダンボールを開けて小学校の頃の日記を読み返してみたところ、内容こそ稚拙ですが、自分の問題を自分なりに解決しようとする前向きな姿勢が見られ、毎日が新たに学んだことや知り得たことに対する驚きと感動に満ちあふれていました。前段のダイアリーとは比べようもありません。
 人は大人になるにつれ、知らないことがなくなっていくのでしょうか。そんなはずはありません。大人であるのに物を知らない自分を認めたくないと思う余り、時として既存の知識のみで物事に対応しようとしてしまうことは誰にでもあるのではないでしょうか。
 
   今、子どもの「調べ学習」が重要視されています。様々な資料から必要な資料を探し出すための技術やスキルを学ぶだけではなく、その情報の中から主体的に目的にあった情報を選び取り、それを分析、評価して情報を再構成、検証し発表する訓練を行うことにより、大人となる将来に備え課題解決能力を高めていくことが目的です。
   大人になると多くの課題に直面します。自分一人きりでその課題を解決しなければならないケースも出てきます。課題解決のためには、自分自身が何を知っていて何を知らないか、知っていると思い込んでいるだけで本質的には何も知らないのではないかということを常に自問自答し続けることがまずもって大事ではないかと思います。
 
   「無知の知」という言葉があります。「知らない」ことが恥ずべきことなのではなく、「知らないのに知っていると思い込んでいる」ことこそが恥ずべきことであると認識した上で私も生きて行きたい、年の初めに際してそう思いました。不惑を目前にして私も遅ればせながら自分自身の「調べ学習」に取り組むつもりです。
   みなさまの課題解決の一助となるべく図書館職員は努力してまいります。今年もご来館をお待ちしております。
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