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としょかんのへや

2011年05月01日

No.61 こいのぼり

  5月になりました。「春眠暁を覚えず」という言葉どおり、うららかで眠り心地のよい日が続きますが、4月から学校や職場などで新生活をスタートさせたみなさんの中には、この時期、環境の変化による緊張からたまった疲れのせいで毎日眠り込んでいるという方もおられるのではないでしょうか。

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   さて、5月といえば端午の節句です。道すがら鯉のぼりをよく目にする季節がやって来ました。ご自宅に飾っている方もおられると思いますが、丘の上の図書館でも、ただ今職員の力作の鯉のぼりがみなさんをお出迎えしています。図書館ホームページのトップでもご紹介していますが、実物もぜひご覧ください。
 
   水の中を泳ぐ鯉は池などでゆったりと泳ぐ姿が印象的ですが、空を泳ぐ鯉のぼりはいつも向かい風の中にあってその風を呑み込み、さらにその風が強ければ強いほど力強く泳ぐことができます。なんともたくましいですね。強い向かい風に呑まれることなく、逆にそれを呑み込んでさらに先へと進んでいくことができたらどんなにいいだろうと、鯉のぼりを見ていてそんなことを思いました。
   私たちは鯉のぼりではなく人間なので、強い向かい風にへこた
れてしまうかもしれません。新生活に抱いていた大きな期待。しかしながら自分の思いどおりにはなかなか事が進まず、現実の厳しさを実感し始めるのもこの時期ではないでしょうか。鯉のぼりのように向かい風の中で先へと進み続けることは、人間にはとても難しいことだと思います。
   しかし、私たち人間は、木陰でそよ風に吹かれながら気分をリフレッシュしてもう一度やり直したり、追い風に励まされて先へと進んだりすることができます。進み続けようとする思いは確かに大切ですが、疲れたら少し立ち止まって追い風を待ってみるというのもいいのではないでしょうか。
   まだ春です。新生活は始まったばかりです。ひとつ大きなあくびでもして、のんびりと本でも読みながら一息ついてみてはいかがですか。あくびをするだけでも体の空気が入れ替わり、リラックスできますよ。そうして少し休んだら、また気を引き締めて次の向かい風に備えることができると私は思うのですが、みなさんはいかが思われるでしょうか。
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