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としょかんのへや

2013年03月01日

No.83

   つい先日「あけまして~」と新年の挨拶をしていたと思ったら、もう三月。気付けば一年が終わってしまうのでは?と、焦ってしまうのが毎年恒例のことのようです。

   三月三日はひな祭りです。「雛人形を早く飾り早くしまわないと娘が嫁にいけなくなる」という言い伝えがあります。ひな祭りは、娘の成長を祝うという意味があり、成長は遅いより早いほうがよいということで早めに飾り、終わると今度は、遅くまで飾っておくことは季節はずれとなり、そのイメージから娘の婚期が遅れると連想されるので早くしまうのだそうです。私の母親も早めに飾り、早めにしまっていました。その努力と願いは未だ報われておりませんが・・・。
   また、ひな祭りは「桃の節句」ともいわれ、「桃の花」が必要不可欠です。この桃の花、花自体もかわいくて、見頃だからひな祭りに使われていると思っていましたが、別の意味があるとのこと・・・桃は、「木」に「兆(きざし)」と書くように、未来を予知し魔を防ぐといういわれがあるそうです。そのため、桃の花を供えることで、桃の持っている邪気払いの力を借り、厄を払うという意味があるのだそうです。私は、この時期に家で桃の花を買ってきて飾る際、包みを開くとポロリ、枝にはさみを入れるとポロリと蕾が次々と落ちてしまうことがよくあるので、桃の花に対して可憐で少しデリケートな印象を勝手に抱いていましたが、このことを知り桃の花を改めて見直してみると、シャンとまっすぐ上へ伸びた枝に花をつけた姿がとても凛々しく、たくましく見えてきたから不思議です。
   今年、桃の花を活ける際には以前より丁寧に包みを開き、はさみを入れ、蕾を落とさないよう気をつけました。なので、以前より厄払いの効果はあるはずです。
 私に…いえ皆様にも良い兆しがありますように。
<お内裏様募集中>
 
○迷信・俗信大百科     不二竜彦/著   学研1996 
○縁起かつぎの秘密     東京縁起かつぎ研究会/編     同文書院 1996
○そこが知りたい迷信の謎     中野宏/著    雄鶏社 1994
○暮らしの伝承     蒲田春樹/著    朱鷺書房 1998
○シアワセをよぶ迷信     ブルー・オレンジ・スタジアム/構成    アーティストハウスパブリッシャーズ 2005
○なぜ夜に爪を切ってはいけないのか      北山哲/著    角川SSコミュニケーションズ 2007