としょかんのへや
2016年02月01日
No.118 チョコレートのお話
春めいた陽気で始まった2016年もひと月がたちました。2月は一年で最も寒さが厳しい月です。暖冬といわれていたこの冬もやはり寒気が日本列島を包みました。寒暖差が激しいと寒さも身に沁みますね。インフルエンザも流行しています。冷え込む日はしっかり寒さ対策をして体調管理にお気をつけ下さい。
さて、みなさんはチョコレートはお好きですか?苦手という方は少数派かもしれませんね。かくいう私もチョコレートは大好き!バレンタインシーズンでもある今の時期、売り場にはたくさんのチョコレートが並びます。お馴染みのブランドから有名ショコラティエの限定品、普段あまり目にすることのないようなチョコレートにも出会えます。色とりどりの美しいパッケージに入って並ぶ様子は、見ているだけでワクワクします。
チョコレートの原料であるカカオ豆は中米から南米北部の熱帯雨林が原産地で、長さ20センチ位の楕円形の実の中にはいっている種のことです。古代メキシコでは「神様の食べ物」と呼ばれ珍重されていました。当時はトウモロコシの粉や香辛料などを入れた飲み物でした。薬として用いられたり、通貨にも使用されていました。大航海時代、カカオ豆に最初に出会ったヨーロッパ人はコロンブスだといわれていますが、あまり価値を見いだせなかったのか本国へ持ち帰ることはしませんでした。その後、コルテスによってスペインにもたらされたカカオ豆は、修道士や政略結婚によってヨーロッパ諸国へ広まっていきます。砂糖やバニラなどを加えて飲みやすく改良されたチョコレートは、高級な飲み物として貴族たちの間で愛飲されました。今のような固形のチョコレートができたのは19世紀になってからのことで、機械化が進み大量生産されるようになると一般市民の間にも普及していきました。
長い歴史の中で、いつの時代も貴重品として扱われ人々を魅了してきたチョコレートは、神様に愛された食べ物といえるかもしれません。
バレンタインデーのときめきは遠い過去のものとなってしまいましたが、今年も親しい人やお世話になっている方にチョコレートを贈ろうと思います。もちろん自分の分も忘れずに。目移りして悩んだ時の魔法の呪文はもちろん『自分へのごほうび』です。
<praline>
●『おいしいチョコレートブック』 日本チョコレート・ココア協会/著,ナツメ社 1999 102540101
●『チョコレート 甘美な宝石の光と影』 モート・ローゼンブラム/著,河出書房新社 2009 103868725
●『食べものの伝来がわかる絵事典』 岡田哲/監修,PHP研究所 2007 103736963
●『食べものはかせになろう⑤野菜・くだものからつくる食べもの』 石谷孝佑/監修,ポプラ社 2010 105817746