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としょかんのへや

2017年08月01日

No.136 涼と怪談

夏本番、8月がやってきました。

世界規模での高温傾向は変わらず、日本の夏は2017年も猛暑だということです。『猛暑』…オオウ。字面だけも汗がふき出ます。
 そんな猛烈に暑い夏こそ、怪談話で涼しくなろうではありませんか!! と、無類の恐い話好きである私なんかは思うわけですが、調べてみたところ、夏に恐いお話をするというのは、実は日本独自の文化らしいですね。
 それには、「夏狂言(夏の歌舞伎興行)」と、「お盆」の存在が大きく関わっているようです。※諸説あります。
 ときは江戸時代、夏。暑気を避けるため、歌舞伎の夏季興行は行われていませんでした。その間長期休養をとる目玉役者たちに代わり、普段は脇役の若手役者たちが、低料金での興行を行ったのが、夏狂言の始まりと言われています。その中で、いつもとは違う芝居を…と、演出面でもさまざまな趣向を凝らして生み出されたのが、幽霊が出てくる恐いお話でした。
 日本において、夏は、あの世とこの世が一番近くなる「お盆」がある季節ですので、こういったお話が自然と受け入れられやすく、「夏=恐い話や怪談」という文化が根付いていったのも、納得が出来ます。
 池田市立図書館では、8月3日(木)に丘の上の図書館・8月22日(火)に図書コーナー(中央公民館内)にて、「こわいおはなし会」を開催します。皆さまぜひご参加いただき、涼を感じられてはいかがでしょうか??
<タマル>
 
【参考文献】・『歌舞伎事典』服部幸雄/編著,平凡社,2011
・『江戸時代 武家政治vs.庶民文化』赤坂治績∥著 朝日新聞出版 2012 105605349