としょかんのへや
2012年10月01日
No.78
今年も田舎の祖母から手作りの葡萄やお味噌が届きました。嬉しい季節の味です。
「さつま芋は鹿にやられてしもうて~」と手紙にあり、うーん残念。
幼い頃、雨で芋掘り遠足が延期になってしまった園の子ども達が、紙に大きなさつまいもを描いて遊ぶ『おおきなおおきなおいも』というお話が大好きで、繰り返し読みました。実際の園での遊びから生まれたお話で、子どもの愉快で自由な想像力に溢れていて、今読み返してもわくわくする大切な一冊です。
お味噌は、今回はもろみ味噌で、家族皆の大好物!これだけでお米が美味しく、もう箸が止まりません。九十を過ぎても毎日畑仕事をこなす、元気な祖母のおかげで早速秋を楽しんでおります。
ついこの間まで、暑くて暑くて、待ち遠しかった秋ですが、いざ涼しくなると、夏を恋しく感じてしまったりすることもあるこの頃です。が、と同時に、移ろいゆく季節の小さな変化に気付くことができると、とても嬉しくなります。やわらかな陽射しの中、近くを歩けば今年も彼岸花が見事に綺麗です。田んぼの脇にどーんと彼岸花が列を成す光景は毎年圧巻で、秋の訪れを実感させてくれます。また、コスモスや萩なども見頃を迎えています。先日、小学生の頃の遠足以来になりますが、奈良へ訪れる機会がありました。コスモスが咲き始めたお寺は、街中からそう離れていないのに、秋風が爽やかで、澄んだ空気に包まれていました。やはり小学生の頃とは違う視点で散策でき、久々の奈良はとても興味深かったです。東大寺や興福寺、春日大社、平城旧跡などの世界遺産だけでなく、多くの寺社が点在している古都奈良。また是非ゆっくり訪れたいです。
様々な「~の秋」とはよく言ったもので、何をするにも気持ちのよい季節ですね。夏の疲れを秋の風で癒したら、興味の赴くままに何でも行動してみたいものです。これから段々日が短くなり、家で過ごす時間が長くなってきます。読書はもちろん、冬に身につける物を編んで作ってみたり、季節の果物をジャムにしたり、家時間の楽しみ方を増やしたいと思います。そろそろ温かい食べ物も身体が欲するようになりました。季節の変わり目、体調を崩されませんよう、どうか有意義に秋を楽しまれますように。
最後に・・・この秋の多くの楽しみのひとつに図書館も入れていただけたら嬉しいです。今月末には、読書週間にちなんだ「図書館まつり」を開催いたします。楽しい催しを準備してお待ちしております。秋の夜長のお供になる一冊を見つけに是非ご来館ください。
<papiyoneruko>
○『おおきなおおきなおいも』 赤羽末吉/さく・え 福音館書店
○『おばあちゃんの味』 佐多正行/著 総合科学出版 2012.4
○『関西花の寺二十五ヵ所の旅』 山と渓谷社 2011.4
○『関西の国宝めぐり』 京阪神エルマガジン社 2011.10
○『ならの大仏さま』 加古里子/文・絵 1985.3
○『編みものこもの』 三國万里子/著 2009.9