としょかんのへや
2015年08月30日
No.113 私のはずかしい話:レファレンス編
レファレンスサービスというものをご存じでしょうか? 簡単にいうと、調べもののお手伝いをすることです。必要な情報・資料を必要とする人に、図書館員が探す手助けをすることをいいます。
レファレンス担当になって間もない頃のこと。「漢字の読みが分からない。」という方がカウンターに来られました。家で漢和辞典を調べたが載っていないから図書館に来ましたと。図書館ですから漢和辞典も多種置いていますから大丈夫ですよ、と漢和辞典の棚に案内しましたが、ホントどれにも載っていないんです。
「え~っ?うそ~!?何で・・・!?」
利用者の方は、図書館に来れば何でも分かると思って来たとおっしゃいます。プレッシャーです。漢和辞典に載っていないなんて、じゃ、何を見たらいいのぉ?
焦りつつ何かないかと「言語」の棚を片っ端からみていくと、『国字の字典』というある1冊の本が私を呼ぶんです。「こっちこっち、この中に載ってるよ!」って・・・。本当なんですヨ。当時、私は恥ずかしながら「国字」というものを知りませんでした。漢字は漢字と思っていました。何気なく「ん?国字?」と思いながら本を開くと・・・載っているではありませんか。思わず心の中で「図書館の神様!ありがとう!」って叫びました。
ホントに本が呼ぶことがあるんですよ。嘘じゃないんですよ。私の場合、今までに2回あったのですが、他の職員に「信じられへんかもしらんけど・・・」と、この話をしたところ、「うんうん、あるある、本を探しに行って見つかれへんとき、『こっちこっち』って本が呼ぶことある。私は2回じゃない、もっとある。」と言われました。負けました。
この時のレファレンス事例を、国立国会図書館が管理運営する「レファレンス協同データベース」(レファ協)に登録したのですが、後日レファ協の企画協力員の方から「漢和辞典に記載がない→国字をあたる、という過程が良いですね。」とお褒めのコメントをいただきました。そのもっと後、国立国会図書館から当事例が月間アクセス数トップ5に入ったと感謝状をいただきました。うぅ・・・実力でなく、偶然に解決できた事例です。恥ずかし・・・素直に喜ぶことができませんでした。この事例を教訓に、私は「図書館の神様」に頼らずとも実力で解決できるよう日々スキルアップに努めようと決心したのでした。
私の情けない話はさておき、何か調べもので困ったときには、レファ協を検索してみてはいかがでしょうか。全国の図書館から寄せられたレファレンス事例集です。特に、回答プロセス、即ち求める資料にたどり着くまでのプロセスが記載されているところが興味深いです。どのような調べ方をしたらその情報に行きつくことができるのかが分かり、調べものをする人にはとても参考になりますヨ。調べ方案内もありますよ。
※レファレンスのページ
図書館ホームページ > 図書館で調べる > レファレンス
このページをレファ協の企画協力員の方が見ないことを祈りつつ・・・
<おとちゃん>