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としょかんのへや

2018年08月31日

No.149 暑さ寒さも彼岸まで

  9月になると「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉をよく耳にしますが、深い意味が込められているのをご存知でしょうか。

  彼岸は年2回、春彼岸と秋彼岸があります。それぞれの初日を「彼岸の入り」、終わりの日を「彼岸明け」といい、春分の日・秋分の日を「中日」といいます。今年の春分は3月21日、秋分は9月23日を中日として、その前後の3日を合わせた7日間がお彼岸です。
  春分や秋分は二十四節気のひとつで、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになります。秋は秋分の日(彼岸の中日)を境に太陽の出番がどんどん短くなり、暑さも和らいでいきます。春分はこの逆で日が長くなり、寒さも和らいでいきます。このため「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるようになりました。
  彼岸にはお墓参りに行く風習がありますが、春分と秋分の太陽に関係があります。仏教では、生死の海を渡って到達する極楽浄土の世界を彼岸といい、その反対側の私達がいる世界を此岸(しがん)といいます。そして、彼岸は西に、此岸は東にあるとされ、太陽が真東から昇って真西に沈む秋分と春分は、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると考えられて、先祖供養をするようになりました。
  お彼岸はご先祖さまや自然に感謝をささげる日本固有の仏教行事であり、お寺の法要やお墓参りに行き、亡き人へ思いをはせ、感謝のまことをささげる期間でもあります。
  またこの時期に咲く秋の花が彼岸花です。名前は彼岸に開花することに由来し、別名曼珠沙華ともいわれますが、このほかにも花の色や形、咲く場所や遊び方などから名づけられた別名が千以上もあるそうです。もうすぐ畦道などで赤い色の彼岸花を見かけるようになりますが、稀に白い花も咲くそうです。ご覧になったことはありますか。
  秋彼岸が明けても、まだまだ暑い日が続きそうですので、体調には十分ご注意ください。熱中症にはこまめな水分補給をお忘れなく!
 
◆『日本の年中行事百科2』 岩井広實/監修 河出書房新社 1994
◆『家族で楽しむ日本の行事としきたり』 石井繁美/編 2005
◆『ヒガンバナのひみつ』 かこさとし/作 1999
<Toshoko>